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「オンラインカジノ合法化」のインパクト from USA

2012-05-16

米国発「オンラインカジノ合法化」のインパクト:日本経済新聞

ゲームジャーナリスト 新清士

コンプリートガチャ(コンプガチャ)問題で揺れる日本のソーシャルゲーム。

ゲームで獲得できる仮想カードをオークション(競売)サイトなどを通じて現金化できるリアルマネートレード(RMT)問題や、どこまで射幸性が許されるのかという課題が突きつけられている。

一方、米国ではまったく違う方向に進む動きが出ている。

オンラインギャンブルを違法と位置づけていた米政府が、それを認める方向に大きく方針転換したのだ。

「法律の管理下」という条件が付きながら、米ソーシャルゲーム企業は新たに生まれつつあるチャンスを目指して一斉に動き始めている。

 
■オンラインギャンブル「解禁」の司法解釈が生んだ変化

いま状況は大きく変わりつつある。昨年12月に米司法省は、議会からの強い圧力にこたえる形でギャンブル法案の解釈を修正し、「オンラインギャンブルは可能である」という方針を打ち出した。背景には保守的なブッシュ政権に変わってIT(情報技術)企業から多くの支援を受けているオバマ政権が生まれ、政府の態度が変質してきたことがある。

法解釈の変更により、ビジネスチャンスを求めて、多様な動きが出始めている。

アメリカでは州単位でギャンブル(カジノ)の合法性が決められるが、2012年には、オンラインギャンブルが認められる州が少なくとも一つは出てくると見られている。

すでにギャンブルが活発な街を持つ、コロンビア州、ネバダ州、ニュージャージー州、アイオワ州が一斉に合法化に向けた準備を始めており、さらに10の州が検討を始めているという。

 
■法律に基づいた合法的なRMT行為

4月にはサンフランシスコで「Global iGaming Summit& Expo」が開催されており、100人以上の講演者に、昨年の2倍の参加者を得た。

多くの行政の政策責任者が参加しており、基調講演は米下院議員が務めた。

講演の内容は具体的で、「ネバダ州でインターネットポーカーの最初の運営規定をまとめたことから得た経験」といったタイトルが並ぶ。

調査会社のKontagentは、一般的なソーシャルゲームに比べてカジノゲームは「1人当たりの売り上げが40%も高い」という調査結果を明らかにしている。

同社のジェフ・テセングCEOは「(オンラインカジノは)アクションを起こすべき、最もホットな分野」とした上で、同社が同分野での知識やデータサイエンスを駆使することで、「高い熱中性、高い収益性を備えたソーシャルカジノゲームの開発に貢献できる」と訴えかけている。

もちろんオンラインギャンブルの合法化に反対する声もあるが、大きな解禁の流れの中でかき消されている。

米国における合法化の動きには、英国企業が世界に向けてサービスを展開し、資金を集めていることも対抗する意図もありそうだ。

米国に住んでいても、インターネットを使えば海外のサイトでゲームを遊ぶことができるからだ。

他国のゲームに資金が流れるぐらいであれば、国内で正規に制度化して財源にした方がよいとする考え方だ。

英国のオンラインカジノは、日本からもプレーすることができる。

厳密にいえば、日本の法律上は違法である。

しかしネットという国境を越える仕組みがある以上、現状では具体的な禁止策を講じることは難しい。

今後、米国での合法化が実現すれば、オンラインギャンブルを展開している各社はもちろん、プラットフォームを提供するフェイスブック、さらにはアップルなどスマートフォン(高機能携帯電話)を扱う企業にとっても重要な収入源へと変わる可能性が高い。

これは米国が法律的な裏付けのある「合法的なRMT制度」を整備する動きだと言い換えることもできる。

そして日本にもネットを通じて、いや応なく、サービスが流れ込んでくる可能性は十分にある。

 

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