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カジノは将来加わるのか | グランフロント大阪

2013-04-22

変わる大阪変わる関西 開業グランフロント大阪

■国際競争力挽回への切り札 日本の新たな玄関口に

3棟の高層ビルの屋上をプールが屋根のようにつなぐ。

シンガポールで3年前にオープンした大型リゾート施設「マリーナ・ベイ・サンズ」。ホテルやカジノ、商業施設などを備えたこのリゾート施設は、世界中から集まった観光客やビジネスマンでにぎわう。

森記念財団都市戦略研究所が昨年10月に発表した「世界の都市総合力ランキング」で、シンガポールは前年と同じ5位をキープした。

アジアの中核都市となったシンガポールに対し、大阪は順位を2つ下げ、17位に終わった。

韓国・ソウルや中国・上海市など、競合するアジアの都市が成長を続ける中、「アジアの玄関口」を掲げる大阪の国際競争力は、相対的に失われつつある。

「シンガポールの人口は約500万人だが、関西圏の人口は1700万人程度。東南アジアにはない歴史の集約もある」

JR大阪駅北側の再開発区域「うめきた」に26日、開業する複合ビル「グランフロント大阪」の開発に携わった竹中工務店会長の竹中統一は、大阪、そして関西の強みをこう強調する。グランフロントは、大阪の国際競争力を引き出す切り札ともいえる。

観光だけでなく、ビジネスの拠点としての機能を兼ね備えた新たな街が順調に発展すれば、日本を代表する玄関口となりうる。

「関西の発展を牽引(けんいん)するだけでなく、わが国の国際競争力を強化する」

9日、首相官邸で安倍晋三と会談した大阪市長の橋下徹は、うめきたを国家プロジェクトとして開発するよう、国の支援を求める要望書を提出した。

グランフロントの開業でうめきたの先行開発区域(1期)は一つの区切りを迎えた。だが、残る2期開発区域(約17ヘクタール)の開発計画はまだ手つかずだ。

大阪府・市は2期区域について、緑地化を基本に検討を進めている。

だが、当初平成26年度中に決定する予定だった開発計画について、府市は19日、決定手順の変更などから27年度にずれこむ見通しを示した。

独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が26年度末までに更地化して売却する土地の購入方法もまだ定まっていない。

橋下は国への要望書で、土地を都市再生機構(UR)や地元財界が設立する会社が取得する案を提示。

融資制度の拡充や不動産取得税の減免など、国の支援措置で用地取得を迅速化し、緑地部分の面積や時期が固まれば、府市が改めて用地を取得する考えだ。

ただ900億円近いとも試算される取得額に対し、関西経済連合会などは負担に慎重な姿勢だ。

建築家の隈研吾は「(関西などの都市は)全体的な開発のスピードで、シンガポールや上海にはかなわない」と、計画の遅れに懸念を示す。

「うめきたが失敗すれば大阪、関西は駄目だということになる」と大阪市の幹部は打ち明ける。

関西経済の地盤沈下が叫ばれる中、“最後の一等地”と評されるうめきたの再開発を置いて、もはや関西が世界の都市の中で存在感をアピールできる機会はない。

金融機関として唯一、開発事業者に参画した三井住友信託銀行副会長の向原潔も「2期にどう貢献できるかは考えてはいないが、推移は注視したい」と強く関心を寄せる。

日本を代表するアジアの“表玄関”の完成には、グランフロントと一体となった2期開発が不可欠だ。

グランフロントの開業は、うめきた開発の折り返し地点にすぎない。

東京一極集中という日本の現状を改め、関西が激化する世界の都市間競争を勝ち抜くためには、スピード感のある開発が必要だ。(敬称略)

 

【産経新聞 4月20日(土)】

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