カジノ候補地は「夢洲」に絞り込む意向、巨額投資に期待=松井・大阪府知事
大阪府の松井一郎知事は14日、ロイターとのインタビューで、カジノを設置した統合型リゾート(IR)の候補地として、大阪の湾岸部にある人工島「夢洲(ゆめしま)」に絞り込む考えを示した。22日に予定する大阪府・大阪市による「IR立地準備会議」で表明する方針。
関西へのIR誘致をめぐっては、同じく湾岸部にある人工島「舞洲(まいしま)」や、大阪駅北側の「うめきた」の一部などが候補地に挙げられていた。
松井府知事は、IRの実現は法案通過が大前提だとしながら「そろそろ候補地を絞り込んで(事業者の)提案を受けないといけないところに来ている」と言及。IR事業者には夢洲を軸に、「大阪らしさ」があり「世界で唯一」となる提案を求めたいとし、「2020年にはぜひ一部オープンをしたい」との考えを示した。
<相次ぐトップ会談>
松井府知事はこれまで、メルコ・クラウン・エンターテインメント やゲンティン・グループ 、ラスベガス・サンズ 、シーザーズ・エンターテインメント・グループ といったカジノ事業者のトップと会談を重ねてきた。同知事は、いずれの事業者も投資額として「5000億円以上の数字をよく言われる」と指摘。「投資額は大きければ大きいほどいい」と述べ、誘致による地元経済の活性化に期待を寄せた。
東京一極集中の加速により停滞する地元経済の活性化に向け、大阪府・市は先端技術が必要となる医療関連産業とともに、観光産業の将来性にも注目している。関西では京都や奈良に古寺などの歴史的建造物が数多くあり、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)なども含め、観光資源が集積している。
大阪府・市は地元経済団体と連携し昨年、外国人観光客への情報発信を強化することなどを目的に「大阪観光局」を設立。同局は大阪を訪れる外国人旅行者数を2020年に650万人と、12年の3倍にする目標を掲げている。昨年12月には、第1回IR立地準備会議を実施。カジノ誘致に向けた取り組みを加速している。
<2倍以上の敷地>
日本では現在、カジノの運営は禁止されているものの、IRを推進する超党派の議員連盟がカジノを合法化する法案を提出した。今年の通常国会での審議入りを経て、成立を目指す構え。
また、橋下徹・大阪市長と松井府知事が所属する地域政党「大阪維新の会」は、11年秋の府知事・市長ダブル選で、地域再生策の1つとして、カジノの誘致をマニフェストに掲げていた。関西の主要な経済では現在、関西経済同友会が誘致に積極的な姿勢を見せている。
大阪府によると、埋め立て工事完了後の夢洲の全体面積は391ヘクタール。うち170ヘクタールが将来活用用地に位置付けられている。物流関連施設や運動広場などがすでに立地する舞洲と異なり、夢洲は一般的なIR敷地面積の2倍以上の土地が活用できる利点があるほか、東京の湾岸部に比べ地価も安い。
IR候補地への鉄道整備など、今後必要となるインフラ投資について、松井府知事は「(IR事業者の)提案をまず聞きたい」としながら、事業者側に一定の割合で負担を求めるのが望ましいとの考えを見せた。
【2014年4月14日 ロイター】
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