米国最大のカジノ運営会社、シーザーズ・エンターテインメントのゲーリー・ラブマン最高経営責任者(CEO)は日本がカジノを解禁すれば、最低50億ドル(約5083億円)を投資する見通しを明らかにした。資金調達には楽観的な見通しを示した。
「相当部分は通常、借り入れ市場で調達できる」と同CEOは26日、都内のインタビューで述べた。
「小さい部分はエクイティとしなければならない。
それを資本市場で調達するのは歴史的に難しくはない」とし、シーザーズにとり「東京の世界的な規模の施設建設の資金調達が困難ではないだろう」と言う。
エクイティ部分は不動産、建設、小売り、娯楽の分野でそれぞれノウハウを持つ国内企業の出資になる可能性があるという。
カジノ導入の具体的検討が自民党で始まって10年以上、同党議員らによって解禁法案が昨年12月に国会に提出された。法案は6月18日に審議入りしたものの、22日に会期末を迎え、次以降の国会での継続審議となった。推進派は東京五輪までにカジノを開業し、訪日外国人の観光の目玉にしようと目論む。
ラブマンCEOは別に行われたブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「少なくともシンガポールで見てきたレベルに合致する投資を目にすることになろう。少なくとも50億ドルを予想している」と述べた。また、日本での株式公開を検討すると語った。
カジノ運営企業などを研究する日本大学経済学部の専任講師、佐々木一彰氏によるとカジノ建設の資金調達は、事業で生じた利益で借り入れを返済するプロジェクトファイナンス(事業融資)の手法で行われることが多いという。ラブマンCEOによると、アジアでのカジノは、創出するキャッシュフローの少なくとも10倍の市場価値があるという。
安倍晋三首相は24日、ブルームバーグ・ニュースの単独インタビューで、カジノを含む特定複合観光施設(IR)について今後の日本の成長戦略の目玉として検討していく考えを示し、法案についても、自民党総裁として「次の臨時国会で、これは議員立法だが、成立を目指している」と述べた。
東京五輪までにカジノが始動するかについて、ラブマン氏は「難しくなってきた」と言う。仮に法案が成立しても、許認可の手続き、建設作業があるためだという。東京での建設は特に難しいとみている。
同社国際開発部門のスティーブン・タイト氏によると、シーザーズは、フジ・メディア・ホールディングス、鹿島建設、三井不動産などの国内企業と協議しているという。ラブマン氏によると東京、大阪のほかに、横浜、沖縄、北海道での建設に関心を持っている。
香港の投資銀行CLSAは2月のリポートで、カジノは年間400億ドルの市場を日本に創出するとの見通しを出した。これは14年の見通しベースで最大の米国の600億ドル、マカオの510億ドルに次ぐ規模だという。
【ブルームバーグ】
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