株式市場では常に政治絡みの材料が物色されるが、参院選後の政治関連銘柄として注目されているのが「カジノ」だ。
もし実現すれば、遊技メーカーやゼネコンから、観光、外食まで幅広く恩恵が及ぶだけに、関連銘柄の動きをいまからチェックしておきたい。
超党派の国会議員で作る「国際観光産業振興議員連盟」(通称・カジノ議連、細田博之会長)は秋の臨時国会にもカジノ解禁に向けた法案を提出する準備を進めている。
自治体でも、東京都の猪瀬直樹知事や大阪市の橋下徹市長がカジノ誘致を目指す方針を表明しており、橋下氏が共同代表を務める日本維新の会では独自のカジノ法案を衆院に提出するなど積極的だ。
政府や自治体にとってカジノの大きな魅力は経済への波及効果だ。
近年の成功例としてよく挙げられるシンガポールでは、2005年に観光振興戦略を策定し、指定地域に限りカジノを解禁。
10年に2カ所のカジノ施設を開業したところ、2年間で観光収入が7割以上増えたという。
シンガポールの成功にならえとばかりに韓国やベトナム、フィリピンなどでもカジノ建設の計画が進んでいる。
日本では、前述のカジノ議連がIR(統合型リゾート・Integrated Resort)推進法案をまとめており、カジノ施設だけではなく、ホテルや劇場、美術館、シネマ、ショッピングセンター、ゴルフ場、展示場、会議場などを総合的に開発する方針。特定の地域に限り規制を緩和しカジノを解禁させるもよう。
このIR施設の誘致にすでに20カ所以上の自治体が名乗りを上げているのだ。
仮にIR推進法案が秋の臨時国会に提出されても、実際に施設が開設するのは2020年以降になりそうだ。
だが、株式市場ではこれを先取りする動きが折にふれ出始めている。
「経済波及効果は遊技メーカーだけでなく、ゼネコンやデベロッパー、観光、外食などにも及ぶ」(投資情報サイト)。カジノ解禁の方向が具体化すればこうした銘柄は一気に物色される可能性もあるため、早めに選別を進めておきたい。
【2013年8月 ZAKZAK】
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