世界最大のソーシャルカジノを目指すRocketFrog、法改正を見越して先手

ゲーム分野でいま一番動きがあるのは、モバイルでもソーシャルでもMMOでもない。

オンラインカジノだ。

司法省が詐欺やマネーロンダリング、違法ギャンブルなどで大手オンラインポーカー事業者のドメイン名を押収したのがほんの1年前なので、この説には違和感があるかもしれない。

その5年前の2006年には、Unlawful Internet Gambling Enforcement Act(違法オンラインギャンブル禁止法)が成立、業界の勢いは衰えた。

だが、昨年11月には司法省が方針を転換し、ソーシャルギャンブル市場は再びにぎわっている。

もちろん再出発したTitan Gamingのように、この市場に参入するスタートアップ企業も増えている。

今回は、RocketFrogという新しい企業を紹介する。

Facebook上でオンラインカジノを展開し、リアルワールドで使える景品を提供する。

これまでの同様のゲームは、レクリエーション的に参加し、友人たちと交流したりバーチャルバッジを獲得したりするものだった。

RocketFrogは、Facebookのプラットフォームをレバレッジすることで、従来のオンラインカジノとはちがうものを作ろうとした。

あらかじめ友達がそろっている場を使って、ソーシャルトーナメントを催し、参加者は競い合って、景品を獲得する。

リーダーボードにポイントをためたりステータスを上げたりするゲームではない。

毎日80人から300人のプレイヤーが参加してポーカーやブラックジャック、スロットをトーナメント形式でプレイする。

RocketFrogは、映画のチケットや音楽、グッズなどの景品を提供してくれるスポンサーを多数日替わりで抱える予定だ。この点が個性的なビジネスモデルといえる。

景品は、出稿する企業が宣伝したい理由に関するものが選ばれる。

例えばピザハットがスポンサーになったら、景品は割引券や無料券といった感じだろう。

初心者も楽しめるようなくふうも盛り込まれている。

全く初めてなら、チュートリアルやゲーム戦略の解説記事、ポイントなどをよく読んでから始めればよい。

また、掛け金を選ぶことができ、制限を設定することもできる。

ゲームの戦績をデータやランキングで振り返ることも可能だ。

RocketFrogは2010年にBrett CalappとMatthew Osborn、Uri Kozaiの3人が始めた企業。

Calappは以前サブスクリプションベースのゲームネットワークCentaurus GamesのCEOを務め、2010年にPartyGamingに売却した経歴を持つ。

MySpaceの共同設立者で前プレジデントのTom AndersonがRocketFrogの顧問に就任している。

Tom AndersonにRocketFrogのコアバリューをきいたところ、「本当に意味のあるインセンティブを有するゲームをFacebookプラットフォーム上に作れる事業者はごくわずかだ」と語った。

オンラインポーカーゲームをする人は数百万人の規模でいるので、自分がよく使うプラットフォームとゲーム経験があれば、現実に使える景品があるゲームはやりたいと思うはずだという。

さらに、「RocketFrogは広告主に対して、常々ほしいとは思っているが手に入らないものを提供している。

実際に自分たちのブランドを使って、刺さる体験を作り出せる。バナーだけでは足りない」と語った。

Brett Calappによると、立法動向と規制動向が変わるには時間がかかり(法改正には2013年あるいはその翌年までかかるとみられる)、またカジノプラットフォームも林立している。

だが、RocketFrogの基本戦略は、仮想通貨をさばくために利用者の手持ち資金の不安感を使うのではなく、トーナメントで競ったり現実に使える景品をめざしたりして競争する機会を提供する点にあるという。

中毒的にはまった状態の少数のプレイヤーに依存する収益構造ではなく、どんどん人が入ってきてコミュニティが大きくなるようにしたいとCalappは語っている。

ギャンブラーではないが、意味のないバーチャルな景品のためにゲームをするのはいやだという人を取り込みたいという。

RocketFrogの今後は厳しい上り坂になるだろうが、有力なアドバイザーを擁し、ソーシャルなトーナメント制のゲームサービスを多くの人に普及させるというミッションを掲げるこの会社は、何かをつかんでいる。

【2012年5月23日 TechCrunch】

facebook上場による勢いに便乗できるかどうか?

少なくともオンラインカジノの認知度がアップするのは間違いないでしょう!

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